この絵は、「フェロモンを包んだ手紙」というタイトルです。
この絵を見るにあたって、まず四隅の白に着目してください。この白で”人と人との交わりはいつでもゼロから、白紙からなんだ”ということを主張します。これを前提に。
中央に描かれているのが直線的で角張ったハート。このハートのガチガチな様子は、恋する人間の不器用さ、緊張感を示します。そして、その緊張した恋の想いを、柔らかい文章を書いた手紙に載せて送る。軟らかい文章が載っていることを象徴するのが、手紙の縁の曲線です。柔和で、なでられたかのように緩やかな曲線。そう。ラブレターを描いているわけです。
背景には、霞んだピンクで、人間のフェロモンを描いています。じりじり気づかないうちに、人間を虜にしていくフェロモン。それがあってこそ、恋の上でのライバル達を一蹴できるのです。そう、五つの円はライバルの存在です。恋に付き物であるライバルの中でも、手紙を書いた人間は一歩先に進んだ勇気を見せた。そういう観点で描いています。
ちなみに、今回は説明文の文字にも凝って、ラブレターにありがちな、緑の文字を使ってみました。