この絵は、「酔っている心」というタイトルです。
この絵の大きな特徴は、なんと言っても、そのまとまりの無さです。線があっちへこっちへ。まるで、子供にクレヨンを持たせたままで書かせた感じです。しかし、その線は気まぐれなようでいて、どの線も直線ではなく曲線です。実は、この線は人の感情をさしているのです。酔って感情がコントロールできなくなった状態をイメージしているのです。けれど、酔っていても、ある程度の理性は働きます。それが線を直線ではなく、曲線にしているものなのです。
また、明るい背景は酔っぱらった感覚のおかしさ、楽しさを現しています。中央部にある緑色のあたたかな円は、酔いで上機嫌になった心全体も現すのです。
ブルーな部分もあります。だが、全体的に見れば明るい。まさに、酒中における人間のおかしさを出しています。