この絵は、「砂漠への入り口」というタイトルです。
扉を開けば、そこにあるのは砂漠。何もなく、ただ無為ばかりの砂漠。そんな砂漠の入り口を描きます。
左側にあるのが蜃気楼によって、ぼやけた砂漠の光です。光明さえ、その姿を失う。砂漠の恐ろしさを提示しています。同時に、この蜃気楼のようなぼやけが砂漠へ踏み込む者の心の不安を表しているのも忘れないでください。始めての場所への潜入は不安なものです。砂漠でなくとも。そんな冒険者たちの様子を示しています。
戸手のニコニコマークが砂漠の魅力を示します。来てみて!来てみて! 風俗嬢のような誘いをし続ける砂漠。はまれば帰って来られないかも知れない。そんな砂漠なのに、人はなぜか足を踏み込みます。それは砂漠のとてつもない魅力に引き込まれているからでしょう。おそらく、それが小さな魅力。しかし、原石ほどに小さくとも、研ぎ澄まされたもので、砂漠の冒険者たちにとって、その原石は傾国の美女の微笑みにも勝るのでしょう。