この絵は、「ビーカーの実験室」というタイトルです。

 さて、水墨画シリーズ第2段です。今回は”見て笑える”に主眼をおいて書いてみました。

 絵において、色を使うとわかりにくくなることがあります。それは、色によって、素材のシンプルさが失われるため、絵自体を理解することが困難になるからです。わかりやすさを失うために、わかりやすいコミカルさが失われてしまうのです。そこで、水墨画の白と黒というシンプルさの特性を、絵のコミカルな部分に活かそうと思いました。その結果が、この形です。

 画面中央の左側へ寄り目になっているのが、今回のヒーロービーカー君です。彼は自分の頭にはちまきのように、ビーカー線を巻いています。そして、右手では導線と見せかけつつも、右手の腕力を誇っているのです。ムキッとした感じになっているでしょう? 力瘤を見ることができるでしょう?

 この絵の良さは見た瞬間の衝撃です。ぷっと吹き出せる絵のシンプルさ。今回はこれに尽きると思います。