この絵は、「流れる川と架かる橋と白黒」というタイトルです。

 水墨画に挑戦しようと思いました。それは水墨画のモノクロトーンに何とはなくの良さを感じたからです。白と黒の単調な色彩構成だけで、水墨画は色々なものを描きます。普通の絵よりも、イマジネーションを要すると言っても過言ではありません。つまり、水墨画は、描く側にも見る側にもイマジネーションを要求するのです。実はそこが今回の絵のねらいなのです。

 画面下部の黒の点在。荒れた感じを出しておきます。対照的に、川に対すして手をくわえない点。ここで静かさを出します。動と静の二面絵画。これが想像力を使ってみて欲しい点の1つです。時間の流れによって変わる大地。対して、時間の流れに関係なく変化のない川。同じ自然という枠の中でも、対照的な両者を描きます。

 画面中央は橋です。よれよれとして、実に頼りない感じです。これで、人の自然に対する行為の弱さを主張します。どんなに人が自然に対して、力を入れても、自然の前では、人は何の力も出せない。自然というものの強さを訴えたいのです。所詮、人は自然には勝てない。それを主張したくて、これを描きました。