この絵は、「油の光」というタイトルです。

 油というものはおかしなものです。一目見ただけでは、ギラギラネバネバしていて、ただ汚いものにしか見えません。しかし、少しでも光の角度を変えるだけで、油は虹のような光沢を帯びるのです。今回は、その油の不思議な部分についてピックアップしてみました。

 もちろん、私が書くのですから、この油の絵にもテーマがあります。それは、何でも一目だけではわからないものだということです。何度も何度もいろいろな立場からのぞき込んでこそ、そのものの形というものがわかってくるのだと思います。だから、一目見ただけで、物事の綺麗、汚い、良い、悪いを判断するのはあまり好ましいことではないと思われます。今回の大きな主張としては、ものをいろいろな角度から捉えることの大切さです。

 絵の解説としては、この形とも言えない形の美しさ。液体ならではの柔らかさが出ていると思います。