この絵は、「島、燃えゆく」というタイトルです。

 燃えさかる。南国のイメージの1つを示す言葉です。燃える南国、情熱の南国。こんな言葉をイメージして、言葉から絵を描いてみました。

 今回の絵の特徴は、なんといっても柔和さでしょう。絵を描く上で、POPな柔らかさで燃えさかる炎を描いてみたいと思い、極力直線を使わないで書いてみました。それというのも、炎というものが無機質で、そもそも直線的なものではないからです。風によって揺らめき、水によってその形を削っていく。その瞬間、その瞬間は形のあるものでありながら、実に自在です。そんな炎の様子を描くのには、曲線の柔らかさこそふさわしい。そう思ったからです。

 今回の絵で訴えたいのは、燃える南国の揺らめきというものでしょうか。流れ、次第に移っていく。右から左へと流れていく。時代の流れにも似た炎の変化というものを描きたいのです。